知 事 答 弁

 ご指摘のとおり、人が人を評価するというのは大変難しいことであります。評価する側に
も偏りでありますとか好みでありますとかそういうものがありまして、本当に客観的に評価
をすることができるかどうかといいますと、なかなかおぼつかない面もあります。

 というようなことで、実は官公庁の中では従来評価制度は仕組みとしては備わっていたの
でありますけれども、実態としてはほとんどちゃんとした評価をしていなかったのです。勤評
制度というのはありますけれども、それも運用も大体みんな同じような結果をつけるという
そういうことをやっていたのです。それは怠けていたということもあるかもしれませんけれど
も、先ほど安田議員がおっしゃったように、評価というのはなかなか難しくて、やる方も自信
がないというようなそういうことがあったのだろうと思います。

 その結果、どうなるかといいますと、ぎすぎすしたところがないということは1つあるのだろ
うと思いますけれども、もう1つは、でもやっぱりぬるま湯になってしまうということは避けら
れないのであります。ちゃんときちっと働く人も手抜きをする人も同じ評価、同じ処遇という
ことになってしまいがちな、それがお役所の典型ということになってしまうのです。

 それではやっぱりいけないので、お役所の中でも刺激といいますか励みといいますか、そ
ういうものがなければいけない。そのために評価制度があるので、完璧ではないかもしれな
いけれども、評価制度を運用していこうではないかという時期に今差しかかっているわけで
あります。これはひとり鳥取県だけではなくて、いろんなところでそういうもがきといいますか、
試みが行われてきているのは、これまでの官公庁のそういう実態を踏まえた上でのことだ
ろうと思います。

 そのことによって何を期待するのかということでありますが、やはり是は是、非は非、きちっ
とやる人はきちっと評価をしてあげる。そうでない人は総でない評価を与えるということで、
それは本人の意欲の向上、モチベーションを高めるということにきっとつながるだろうと思い
ます。場合によっては例外的に腐ってしまうとか、それによってさらにやる気をなくすという
こともあるやもしれませんけれども、一般的には、適正に近い評価を加えることによってモ
チベーションが高まる、意欲が向上する、能力その他の研さんを積むということにつながる
だろうと思います。それが1つのねらいであります。

 もう1つは、やはり安田議員もおっしゃいましたけれども、ちゃんとした仕事をした人とそう
でない人とが同じ処遇というのでは、本当に励みになりませんので、そこはきちっと適度な
差をつけるということは必要だろうと私は思います。極端な能力主義とか実力主義、成果主
義というのは、今我が国で民間企業でかなり導入されて、それの功罪も論じられております
けれども、極端な差ということについては大いに議論があろうかと思いますけれども、やは
り能力とか意欲とかそういうものの差によって適度な処遇の差というのは、あってしかるべ
きだろうと私は思っておりまして、以上述べたような観点で今、いわば試行錯誤的に評価制
度の適正な運用を目指して取り組んでいるところであります。





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